愛媛県 松山市 一般財団法人 愛媛県白鳳社 白鳳会館

沿革

画像の説明

白鳳会館建設碑文

 世界に平和、人類に自由平等を……同和問題は、実に人類の願望にしてしかも人間の尊厳にかかわる基本的人権の確立を追及し完成する闘ひの歴史と言ふべく、その由来は、我が国封建時代における幕藩体制の維持強化をはからんとして、身分差別によりて人民を迫害、収奪し来たりし為政者の権力に対する、凡そ300年に及ぶ国民殉難の歴史と言ふべし。
 星移り時変はりて、明治維新後既に100有余年……
 その間、大正11年全国水平社を創立し「人の世に熱と光り」をともしびに激しき風雪に耐えつつ、人間平等の地域社会実現をめざして闘ひを重ぬること50余年……今尚この運動は滔々として止む時なし。世の人これを部落解放と言ふ。はたこの長き運動の遺産と伝統を継承する国民総意の結集として昭和44年7月同和対策事業特別措置法の制定を見るに至れり。法に日く、本問題は国及び地方公共団体の責務なるも、同時に国民的課題なり、と。爾来、関係機関、団体はもとより国民総て各々の分野に於て法の本旨に則り、その実効を挙ぐべく課題の探究に努力を傾注し来たれり。
 さりながらその道は尚遠く更に険し。
 ここに於て吾人は、多年の悲願ともいへる人間の自由と平等を確立すべく、広く内外の交流と研讃をはかるはもとより、県民の憩ひと安らぎを得る拠点として本会館の建設を発願せり。建設に当っては財団法人愛媛県白鳳社を組織し、その構想の図を表明するや、忽ちにして各界有志の協賛を得る所となり、特に白石県政の人間優先の政治理念に符合して関係諸団体の提唱する「対話と協調」「行政と共闘」「教育との連帯」と言ふ県民総ぐるみなる「和と団結」の力によりてその定礎を見、完成に至る。
 その純白の装ひは無差別平等を現し、鳳が雄姿はまさに人間解放への大いなる飛翔と県民の願望を厳かに象徴するものにあらずや。
 吾人は、ここに本事業に結集せられし関係県民諸賢が勲しの赫々としてとこしなへに不滅の光彩を放たんこと信じて疑はざるべし。
 願くは本会館悠々の歴史に栄光と、人間に熱と光のあらんことを…………

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